最近の迷惑メールは凝っている
2016.04.26更新
こんにちは。
弁護士の角井です。
昔はよく来た迷惑メールですが,最近はめっきり目にしなくなりました。
それもこれもキャリアメールで連絡を取り合わなくなったからですかね。
私は,line世代ではありませんが,今では同世代ともlineで連絡を取り合っています。
しかし,つい先日,面白い迷惑メールを目にしたのです。
題名は,「電子内容証明郵便」というもので,思わず開けたくなってしまうようなメールです。
ただ残念かな。弁護士に送っても騙されるわけがありません。
だって,電子内容証明郵便って,メールで内容証明郵便を送ることじゃないもの。
本日は,内容証明郵便の特集です。
1.内容証明郵便とは何か
まず,そもそも内容証明郵便とは何なのでしょう。
郵便法48条1項は,「内容証明の取扱いにおいては,会社において,当該郵便物の内容である文書の内容を証明する。」と規定しています。
つまり,どんな内容の文書を送ったのかを会社=日本郵便株式会社に証明してもらえるという制度であり,そのような制度を利用して出された郵便物のことを内容証明郵便といいます。
2.内容証明の効果
内容証明は,送った文書の内容が公的に証明され,差出日も証明されます。
世の中には,文書を送っているにもかかわらず,「そんな文書は受け取っていない」とか「違う内容だった」とかいう不届き者がいますが,そういう主張をさせないために用いられます。
特に,借金の時効が迫っている場合や,賃貸借契約の解除の意思行事を明確にしなければならない場合などは,内容証明郵便を利用した方がよいでしょう。
3.内容証明の方式
内容証明の書式は,内国郵便約款で定められています。
文書の形式については,横書きの場合は1行13字以内,1枚40行以内,または1行26字以内,1枚20行以内で作成することとされています。
文字や記号を訂正し,挿入し,または削除するときは,その字数及び箇所を欄外または末尾の余白に記載して押印しなければなりません。
また,文書が2枚以上になるときは,その綴目に契印をしなければなりません。
4.提出方法等
内容証明は,小さな郵便局では取り扱っていないので,集配事務を行うような郵便局に行く必要があります。
提出時は,提出用の文書のほか,その文書の謄本2通に内容証明量を添えて郵便局に提出します。
郵便局は,正本を相手方に送付し,謄本の1通を保管し,残りの1通を差出人に戻します。
内容証明の差出人は,謄本の保存期間である5年間に限り,差出郵便局で謄本の閲覧を請求できます。
5.電子内容証明サービス
以上で見てきたように,内容証明を出すのは大変です。
そこで,平成13年2月1日から,電子内容証明サービスが始まりました。
これは,郵便局が,内容証明郵便を電子化して,インターネットを通じて24時間受付を行うサービスです。
つまり,受付をインターネットで行うのみであり,通常通り内容証明郵便を郵送します。
そのため,メールで「電子内容証明郵便」が届くわけはないのです。
6.おわりに
私のもとに届いたメールに何が書いてあったのかはわかりません。
そもそも,知らないメールをむやみに開封するものではありませんからね。
他人を騙して何かをしようという人は数限りなく存在しますが,対抗する手段も数多くあります。
まずは,正しい知識を身に着けて,騙す人をはるか高みから見物しましょう。
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熊本地震を初めとする災害について
2016.04.19更新
こんにちは。
弁護士の角井です。
すでにご存じのように,平成28年4月14日,熊本地方を中心とした大地震が発生しました。
4月16日未明には本震とみられる大地震が再び発生し,現在に至るまで余震が収まるそぶりは見られません。
熊本には,2回ほど旅行に行きました。1回目は島原で具雑煮を食べてからフェリーに乗り,熊本城を見てから鹿児島方面に移動しました。
2回目も島原で具雑煮を食べてからフェリーに乗り,熊本城を見てから阿蘇山の火口を見に行きました。
今回の地震で崩落した阿蘇大橋も通りましたし,東海大学の阿蘇キャンパスの近くも通りました。
それらの風景が全く変わってしまったことに動揺を隠せません。
長崎で修習をしていたとき,オーセンティックバーの棚に落下防止用の柵がないことが不思議でした。
マスター曰く,長崎には全く地震がないので,落下防止を考える必要がないとのことでした。
柵がないことによってウイスキーのラベルがしっかりと見えるので,大変すばらしいことだと感じていました。
そんな九州の伝統も今回の地震によって変わっていってしまうのかもしれません。
私の修習同期には,九州で仕事をしている人がたくさんいます。
そのうちの一人は,熊本で弁護士をしていますが,今回の地震で避難生活を送っています。
また,小中高の同級生は鹿児島に暮らしていますが,出産を控えた中で物資不足に悩んでいます。
その人たちのことを思うと,心苦しい気持ちでいっぱいになります。
ただ,私にできることがほとんどないということはわかります。
物資を送ろうとしても輸送システムが混乱に陥るだけですし,お金を送るにしても何に使われるのかわかりません。
とりあえず,熊本が誇る球磨焼酎で乾杯し,地震が落ち着いたころには熊本を再び訪れたいと思います。
重要なことは,次から次へと起こる悲しいニュースの中に,今回の出来事を埋没させないことだと思います。
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「オフピーク通勤」とはこれ如何に
2016.04.04更新
こんにちは。
弁護士の角井です。
このブログを見てくれている人からやはり言われてしまいました。
「もっと更新した方がいいですよ。」と。
いつまでも閏年の話でさーせん。
何か話題になることはないかなぁと街中をリサーチしてみたところ,あるポスターに反応してしまいました。
それは,「オフピーク通勤」に関するものでした。
オフピーク通勤とは,電車が最も混雑する時間帯を避けて通勤することを指し,随分前から提唱されてきたものだと理解しています。
京浜急行の上大岡~横浜駅間は,まさにふとん圧縮袋状態ですからね。おっしゃることはよくわかります(京王線の明大前~新宿駅間も相当にひどい)。
しかし,ふと思ったことは,オフピーク通勤は「サラリーマンに多分の負担をかける試みなのではないか。」ということです。
前提問題として,オフピーク通勤をするには二つの方法があります。
一つは,いつもよりも早く出勤し,もう一つはいつもよりも遅く出勤することです。
このうち,遅く出勤するのは就業規則との関係からほぼ不可能でしょう。
そうすると,オフピーク通勤とは,「いつもより早く出勤する」ことを意味することになります。
次に,いつもより早く出勤するには、いつもよりも早く起きなければなりません。
通常と同程度の睡眠時間を確保するには,いつもよりも早く寝なければなりませんが,仕事が終わる時間が変わらなければ,早く寝ることはできません。
つまり,オフピーク通勤には,残業をなくすことが当然の前提とならなければならないと考えられます。
しかし,事実上,残業をなくすことは難しいと言わざるを得ないでしょう。
では,いつもよりも睡眠時間を削って早く起きた後,早い電車に乗って職場の近くについて,一体何をすればよいのでしょうか。
優雅に朝食をとるというのも一興なのでしょうが,賃金が上がっていかないこのご時世にそんな余裕があるご家庭はそんなに多くないでしょう。
そうすると,採るべき手段は一つ。「職場に早く出勤する」という方法です。
職場に早く出勤した人は,いつもよりも早く働かないといけないのでしょうか。
むろん,法律上は,所定労働時間が決められていますので,働く必要はありません。
しかし,働く必要がないからといって,ボーっとしていられるサラリーマンがこの世にいるでしょうか。
結局は,メールチェックから始まり,会議の資料を作ったり,前日に残してしまった仕事に取り掛かったりと仕事をしてしまいます。
オフピーク通勤自体は素晴らしい取り組みだと思いますし,通勤をする人にとっても快適に車内の時間を過ごすことができる方法です。
しかし,それは,現代日本を取り巻く長時間労働の問題が解決されない限り,ただただ労働時間を増やすだけの結果になってしまうと思います。
オフピーク通勤を推進するなら,各企業がフレックスタイム制を導入して,1日の始業・終業時刻を労働者の自由な決定に委ねるべきであり,それができないならオフピーク通勤も行うべきではないと考えます。
さてさて,みなさまのご意見や如何に。
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新たな気持ちで迎える新年度
2016.04.01更新
こんにちは。
弁護士の角井です。
さて,唐突ですが,私は嘘が好きではありません。
自分自身のことを「いい人」だと言い切れるほどずうずうしくはないと思っていますが,少なくとも「嘘をつかない人」だとは言い切れます。
そういう私にとって,今日は非常に不愉快な一日です。
そして,そんな不愉快な一日にうってつけのイベントが行われたのです。
本日,「横浜弁護士会」は,「神奈川県弁護士会」へと名称を変更しました!!
http://www.kanaben.or.jp/news/info/2016/20160401kaimeihenko.html
いや,これはもう絶対信じてもらえなさそう。今日の朝は,中央のYデッキでビラ配りしてたけど,通る人たちの目がすごい不信感で溢れてたもん。だからかなぁ,全然ビラもらってくれなかったのは。
そういうわけで,何とも間の悪いタイミングではありますが,本日から所属弁護士会の名称が変わりました。
私の事務所HPでも,所属弁護士会の表記を早速変更しています。ご確認ください。
先程の話は半分くらい冗談ですが,実際にビラ配りをしてみて色々と気付かされたことがありました。
ビラを受け取ってくれる方は,概ね前を向いて歩いていらっしゃる方です。弁護士会という存在を前向きにとらえてくださったり,知らないながらも興味を持ってビラを読もうと思ってくださる方です。
ビラを受け取ってくれない方は,目線が下方向や横方向や上方向を向いています。音楽を聴きながら,あるいはスマホの画面を見ながら歩いている方も多く,心のバリアーが目に見えてしまっています。
そんな皆さんにこそ,弁護士という存在を多く知ってもらって,無料相談に来ていただきたいのですが,想いがなかなか伝わらないのは残念なことです。
今日のビラ配りは,弁護士をより身近に感じてもらうという意味合いもありましたが,どこまでフレンドリーさが伝わったのかはよくわかりません。
私は,こんなブログを書いているくらいですので,非常に「軽い」弁護士だと思われていると思いますが(それも程度ものだと思いますが),世の中の皆さんが感じる「敷居の高さ」はまだまだ厳然として存在するのでしょう。
新年度ですので今年のターゲットを発表するとすれば,若い世代でお困りの皆さんにもっと当事務所をアピールしたいと思っています。
私の若さは,今さら変えられないことですし,それを生かせるのは今だけだとも思います。
4月1日に嘘が一切介在しない記事を書くのは爽快ですね。
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