コンビニの駐車場から見える景色

query_builder 2016/07/12

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 

 

 いやぁ,選挙が終わりましたね。

 かつて,ある女性グループが歌った歌の中に,「選挙の日は投票に行って外食する」旨の歌詞がありました(忠実に書くとジャスラックが怖いのでやめます。)。

 大日本帝国憲法が発布されたときには,「憲法の発布」を「絹布の法被」と間違えてどんちゃん騒ぎになったという話もありますので,この国にとっての選挙とは,いわば「ハレとケ」でいうところの「ハレ」の日であり,「祭」なのでしょう。

 まぁ,あんまり書いてこのブログを炎上させるのは私の本意ではありません。この辺でやめにしましょう。

 

 

 さて,この前,コンビニの駐車場でコーヒーブレイクをしていたところ,交通事故に遭遇してしまいました。

 目の前で交通事故を見るのは,実は初めてだったかもしれず,少なからぬ衝撃を受けました。

 ぺっしゃんこになった後の車を目にすることはよくありますけどね。路上でも裁判資料でも。

 

 状況はこうです。

 コンビニの駐車場から右折して路上に進出しようとしている中型トラックがタイミングを見計らっていたところ,右方向から直進してきた普通自動乗用車がそのコンビニの駐車場に入ろうとしていました。

 まず,一つ目の残念ポイントは,トラックが左に十分に寄っていなかったことにより,進入しようとしていた乗用車が入るスペースがなく,トラックが右折して出ていくまでの間,路上に停車しなければならない状況であった点でした。

 このため,停車している間に,後続車がさらに2台停車することになり,これが悲劇の始まりとなります。

 

 次に事態が動くのは,一番後ろの車が停車した車を追い越そうとしたことです。

 ここが二つ目の残念ポイント。トラックは右折しようとしているわけですから,追い越しをかけた際に正面衝突する危険性があります。コンビニ駐車場内のトラックの挙動をちゃんと確認できていれば,この状況で追い越しをかけようという発想にはなりません。

 案の定,一番後ろの車が追い越しをかけたタイミングと,トラックが右折して途上に進出するタイミングが同時になってしまいました。

 

 さらに悲劇は続きます。期せずして正面衝突の状況に陥ったとき,左方向にスペース的余裕があれば,ハンドルを左に切って回避することができます。

 しかし,状況は,コンビニの駐車場への進入待ちをしている車が2台連なっている状態です。スペース的余裕はありません。

 この場合,急ブレーキをかけてしかるべきですが,何を思ったのか,一番後ろで追い越しを試みた車がハンドルを左に切ります。

 これがとどめになりました。

 

 私の位置関係からは,衝突の瞬間が見えませんでした。

 記憶のとおり解説すると,次のようになります。

 ①トラックがゆっくりと右折して路上に出る

 ②完全に路上に出る前に「バーン」という比較的高い衝撃音が聞こえる

 ③次の瞬間にもう一度「バーン」という衝撃音が聞こえる

 ④進入待ちをしていた車がトラックの側面に衝突する

 ⑤その場にいた全員が車列の方向を見る

 ⑥試合終了の笛が(みんなの心の中で)鳴る

 

 結局4台が絡む多重事故になってしまいました。そのあとは悲惨でした。

 一番前の車の運転手さんはぶち切れ,一番後ろの車の運転手さんは平謝り,真ん中の車の運転手さんは茫然。

 一番後ろの車の運転手さんが警察に電話しようにも場所がわからないらしく,あたふた。

 一番前の車の運転手さんは念願かなってコンビニの駐車場に駐車成功。でもなぜか私の車の隣に止める。

 運転手さんが降りてくるときに,運転席のドアが変な音を上げる。私は聞こえないふり。

 真ん中の車の運転手さん,悲しそうにぺっしゃんこになったリアバンパーを拾う。

 私は,視線が合わないように見えないふり。

 いたたまれなくなった私は,そそくさとブレイクタイムを終了させて,左折方向に逃亡。

 

 

 このあと,一番後ろの車の運転手さんは,刑事責任,民事責任,行政上の責任を負うことになります。

 刑事責任とは,要するに犯罪のことです。他の運転手さんがけがをしていれば,過失運転致傷罪になります。

 けがをしていなければ,過失の器物損壊は罰せられませんので,刑事責任を負う必要はありません。

 民事責任とは,要するに損害賠償のことです。任意保険会社に入っていれば,担当者が代わりに対応してくれます。

 ただし,保険会社は,賠償額を値切りがちです。そのとき,お役に立つのが我々弁護士です。

 行政上の責任とは,要するに違反点数のことです。点数に応じて免許停止になったり免許取り消しになったりします。

 違反点数は,類型化されていますので,問題のない限り甘んじて受け入れてください。

 

 

 今回の交通事故で再確認したのは,たとえ自分が悪くなくても事故に巻き込まれることはあるんだなぁということです。

 特に,真ん中の車の運転手さんは何にも悪いことしてません。

 これを気にしていたら,車なんて運転できませんが,何ともいたたまれない気分になりますね。

 お役に立てるかどうかわかりませんが,真ん中の車の運転手さん!このブログを読んでいたらお気軽にご連絡ください!!

投稿者: アダジオ法律事務所

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