「オフピーク通勤」とはこれ如何に
2016.04.04更新
こんにちは。
弁護士の角井です。
このブログを見てくれている人からやはり言われてしまいました。
「もっと更新した方がいいですよ。」と。
いつまでも閏年の話でさーせん。
何か話題になることはないかなぁと街中をリサーチしてみたところ,あるポスターに反応してしまいました。
それは,「オフピーク通勤」に関するものでした。
オフピーク通勤とは,電車が最も混雑する時間帯を避けて通勤することを指し,随分前から提唱されてきたものだと理解しています。
京浜急行の上大岡~横浜駅間は,まさにふとん圧縮袋状態ですからね。おっしゃることはよくわかります(京王線の明大前~新宿駅間も相当にひどい)。
しかし,ふと思ったことは,オフピーク通勤は「サラリーマンに多分の負担をかける試みなのではないか。」ということです。
前提問題として,オフピーク通勤をするには二つの方法があります。
一つは,いつもよりも早く出勤し,もう一つはいつもよりも遅く出勤することです。
このうち,遅く出勤するのは就業規則との関係からほぼ不可能でしょう。
そうすると,オフピーク通勤とは,「いつもより早く出勤する」ことを意味することになります。
次に,いつもより早く出勤するには、いつもよりも早く起きなければなりません。
通常と同程度の睡眠時間を確保するには,いつもよりも早く寝なければなりませんが,仕事が終わる時間が変わらなければ,早く寝ることはできません。
つまり,オフピーク通勤には,残業をなくすことが当然の前提とならなければならないと考えられます。
しかし,事実上,残業をなくすことは難しいと言わざるを得ないでしょう。
では,いつもよりも睡眠時間を削って早く起きた後,早い電車に乗って職場の近くについて,一体何をすればよいのでしょうか。
優雅に朝食をとるというのも一興なのでしょうが,賃金が上がっていかないこのご時世にそんな余裕があるご家庭はそんなに多くないでしょう。
そうすると,採るべき手段は一つ。「職場に早く出勤する」という方法です。
職場に早く出勤した人は,いつもよりも早く働かないといけないのでしょうか。
むろん,法律上は,所定労働時間が決められていますので,働く必要はありません。
しかし,働く必要がないからといって,ボーっとしていられるサラリーマンがこの世にいるでしょうか。
結局は,メールチェックから始まり,会議の資料を作ったり,前日に残してしまった仕事に取り掛かったりと仕事をしてしまいます。
オフピーク通勤自体は素晴らしい取り組みだと思いますし,通勤をする人にとっても快適に車内の時間を過ごすことができる方法です。
しかし,それは,現代日本を取り巻く長時間労働の問題が解決されない限り,ただただ労働時間を増やすだけの結果になってしまうと思います。
オフピーク通勤を推進するなら,各企業がフレックスタイム制を導入して,1日の始業・終業時刻を労働者の自由な決定に委ねるべきであり,それができないならオフピーク通勤も行うべきではないと考えます。
さてさて,みなさまのご意見や如何に。
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