年は明けて閏二月
2016.02.29更新
こんにちは。
弁護士の角井です。
まずは,今週末から始まる臨時休業についてお詫び申し上げます。
国内にいれば,いざというときに事務所に取って返すこともできるのですが,如何せん海を渡った土地にいますので,そういうわけにもまいりません。
とりあえずスマホは持っていきますが,ネット環境がどうなっているかもよくわからないので,そもそも連絡が取れるかどうかも分かりません。
というか,今回の出張のためにあわててパスポートをとった初心者旅行者ですので,生きて帰ってこられるかもわかりません。
とりあえず,夜の街は一人で出歩かないようにします。
さて,本日は,閏日ですね。4年に一度の祭典であるオリンピックと同じ年にやってくるので覚えやすいですね。
ちなみに,1992年アルベールビルオリンピックまでは,夏季オリンピックと冬季オリンピックが同じ年に開催されていたという事実について,若い世代の人は知らない人も多いと思います。
私もリレハンメルでの原田の失敗ジャンプについて,記憶が定かではありません。(長野オリンピックはゲームソフトを買ってやるほど熱中しました。)
話がずれてしまうのは私の悪い癖です。話を戻します。
閏日は太陽の自転周期と公転周期が微妙にずれることによって発生します。その誤差は,概ね4年で1日であるため,4年に一度閏日が挿入されるのです。
2月29日生まれの人にとっては,4年に一度のお誕生日ですね。おめでとうございます。
閏日生まれの人に対して,「今年で何歳になったんですか?笑」と聞くのは非常に失礼なのでやめましょう。
あなたは面白いかもしれませんが,それを言うのはあなたで100万人目です。
あなた「湘南国際村って,どこに湘南要素があるんですか?」
横須賀市民「あなたは面白いかもしれませんが,それを言うのはあなたで100万人目です。」
あなた「横須賀海軍カレーって,どのあたりが海軍っぽいんですか?」
横須賀市民「あなたは面白いかもしれませんが,それを言うのはあなたで100万人目です。」
あなた「横須賀中央に行こうとしたら横須賀駅で降りちゃって大変でしたよ。」
横須賀市民「あなたは面白いかもしれませんが,それを言うのはあなたは100万人目です。」
絶望した!100万回言う世間に絶望した!
(ネタ出展:久米田康治『さよなら絶望先生』第54話「百万回言われた猫」。なお,作者の久米田先生は横須賀ご出身です。)
いやぁ,満足しました。お疲れ様でした。
これだけで終わるとさすがに怒られてしまうので,閏日生まれの人のある疑問について簡単にご説明しておきましょう。
2月29日生まれの人は,一体どのタイミングで年齢が増えるのでしょうか。
気管の計算について,民法では次のように定めています。
まず,期間が時間によって定められた場合には,即時より計算を開始して,その時間の経過によって,期間は終了することになります(民法139条)。例えば,午前10時に「今からレンタカーを8時間借りる」という決めた場合は,午後6時に期間満了となります。
次に,期間が日の単位で定められた場合には,原則として翌日から計算を開始して(民法140条本文),最終日の終了で期間が満了します(民法141条)。これを「初日不算入の原則」といいます。例えば,本日2月29日に「今日から5日間」という契約を結んだ場合,3月1日が1日目,2月2日が2日目で,2月5日の終了をもって,契約期間が満了します。これは,期間が週,月または年の単位で定められたときも同様です。
ただし,これには例外があります。年齢に関しては,「年齢計算ニ関スル法律」という法律があり,年齢は出生の日から計算することとされています(同法1項)。そして,その期間は起算日応当日の前日に満了します(同法2項)。
そうすると,2月29日生まれの人は,2月28日の終了と同時に年齢が一つ増えます。そして,閏年以外の場合は,2月28日が終了した瞬間に3月1日になるわけですから,3月1日の時点では,すでに年齢が一つ増えていることになります。
「年齢計算ニ関スル法律」のおかげで,2月29日がない年でも規定通りに年齢を重ねることができるというわけです。
ちなみに,この「年齢計算ニ関スル法律」が制定されたのは明治35年のことです。刑法が制定されたのが明治41年のことですから,それより前からある法律ということになります。いまでは,カタカナ表記された法律もかなり少なくなりましたが,この法律はいまだにカタカナで表記されています。歴史のロマンを感じますね。
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