世間が考える「国選事件」の印象
2015.10.30更新
こんにちは。
弁護士の角井です。
なぜか毎日暑いですね。きっと温室効果ガスを削減していないせいでしょう。
現在,国選の刑事事件を担当しています。
「国選事件」というのは,世間的にも知名度があるようで,「今週は国選事件の担当週なんだよね。」と言っても大体通じます。
「HERO」にせよ「リーガルハイ」にせよ,国選事件を取り上げているわけ作品は多いわけではないのに,なぜこんなに有名なのか。私にはよくわかりません。
ただ,国選事件をやっていると,世間の皆さんが国選事件をどう思っているのかはわかります。
それは,「国選事件なのに熱心ですね。」「国選事件なのに大変ですね。」「先生も国選事件だとお思いでしょうけど。」というセリフからもわかります(すべて,実際に言われたセリフ)
なぜ国選事件の評価がこんなにも低いのか。それはよくわかりません。
昨年は,多くの私選事件を担当したのですが,その中でも気になるセリフは多々ありました。
「国選の先生じゃ不安で。」「やっぱり国選だとやる気も出ないんですよね。」「私選の先生ですか!これでもう安心だ。」
弁護士のことを金額に応じて仕事量を変える生き物だと思っていらっしゃるようですね。
ご安心ください。世の中の弁護士は,国選でも私選でも仕事量に差をつけるようなことはしません。
私選にできて国選にできない手続も特にありません。
ましてや,私選の方が処分が軽くなるなんてことはまずありません。
ならば,私選制度は何のためにあるのか。
答えは一つ。「自分が気に入った弁護士に依頼することができる。」ということです。
国選制度は,プロ野球におけるドラフト制度のようなものだと思うのです。
野球はしたいのに自分が入る球団は決められない。弁護は必要なのに自分を担当する弁護士は決められない。
じゃあ,自分で決めるにはどうすればいいか。私選弁護を頼めばいいわけです。(昔でいうところの逆指名制度みたいなものです。たぶん。)
前にもどこかでお話ししたような気がするようなしないような感じですが,弁護士選びの最大のポイントは自分と性格が合うかどうかです。
ガツガツ責め立てる先生は,交渉を有利に進めることができるかもしれませんが,柔軟性に乏しいかもしれません。
穏やかな先生は,相手方をやり込めることはできないかもしれませんが,話をじっくりと聞いてくれるかもしれません。
自分の担当弁護士を自分で決めるための対価が私選弁護の報酬だと私は思っています。
それが高いと思うか安いと思うかは,みなさまのご判断にお任せします。
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