合格は長い人生の第一歩
2015.09.07更新
こんにちは。
横須賀のアダジオ法律事務所の弁護士の角井です。
ブログを更新しなければならないことは分かっているのですが,何かとやらなければならない仕事があってつい疎かになってしまいます。
(いないとは思いますが,)読者の皆様にはお待たせして申し訳ありません。
さて,何を隠そう,明日は司法試験の合格発表日ですね。
私が合格したのは,いまから3年前のことですが,遠い過去の出来事に感じます。いやぁ,この3年間はいろいろありましたなぁ。
私の友人たちも受験していますので,明日は是非よい報告が聞けることを楽しみにしています。
法科大学院生は,司法試験に合格することを目標にして日々を過ごしているのですが,合格はゴールではありません。
まさしくスタートラインに立った状態であり,法曹への道はこれから始まるのです。
ただ,司法試験に合格すると,身の回りに様々な変化が起こります。
どんなことが起こるのか,記憶を振り返りながら説明していきましょう。
1.友達が増える
よく芸能人になると親戚が増えるといいますが,それに似たようなものです。
法律関係の友人は,それほど驚きもしませんが,それ以外の分野の友人たちはただただ驚いてくれます。
特に,合格前は法科大学院生という世間から見ると気楽な職業をしていますし,試験後はただのニートと化しているわけなので,周囲からの評判は決して高くありません。
それが合格すると突然の高評価。ある友人は,「おまえが友人でおれは誇らしい。」と言っていました。ジャイアン的な嗜好が垣間見えます。
そして,各グループごとに祝賀会と称した同窓会が催されるのです。とりあえず,いっぱいプレゼントをもらえます。
ただ,最もうれしかったプレゼントは,法科大学院の同期からもらったネーム入りのボールペンでした。
2.情報戦が始まる
司法試験の合格を目指すときは,豊富な情報に溢れています。
どの問題集を使えばいいか,出題傾向は何か,教えてくれる人はたくさんいます。
それが司法試験に合格したとたんに何の情報もない状況にほっぽり出されます。
特に,司法修習生の出願を忘れてしまうと悲劇です。
司法試験に合格した後は,司法修習生となって研修を行い,その後裁判官・検察官・弁護士の道へと進んでいきます。
司法試験に合格したんだから勝手に司法修習生になれると思ったら大間違いです。学者を目指すという理由で修習に行かない人もいるのです。
明日合格した人は,すぐに最高裁判所のホームページを見に行きましょう。そして出願書類の多さに驚愕しましょう。
こうして合格者はコミュニケーション能力を身につけていくのです。
3.司法試験とは全く異なる勉強が始まる
表題を見ただけで叫びたくなりますね。
必死の思いで司法試験に合格したというのに,新たな勉強が始まります。
そしてそれは,それまでにしてきた勉強とは全く異なる種類のものです。
私も司法試験までは型破りな答案を書いてきたと自負していますが,司法研修所で行われる起案では命取りです。
研修所起案には研修所起案の「作法」があります。覚えましょう。とにかく覚えましょう。
書き方は研修所から送られてくる大量の冊子に書いてありますので,大丈夫。覚えましょう。
これが覚えられないと司法試験に不合格するよりもはるかに苛酷な未来が待っています。
そんなこんなで司法修習が始まる季節になります。始まってしまったら最後,二度と学生気分には戻れません。
いまのうちに遊べるだけ遊び,寝られるだけ寝ましょう(飲むのはその後いくらでも飲めます。)。
大変なことばかりでしたが,司法試験に合格したからこそ,いまの自分があります。
受験生の皆様の合格を心より祈念しております。
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