弁護士と「職印」
2015.06.04更新
こんにちは。
横須賀のアダジオ法律事務所の弁護士の角井です。
何の脈絡もないですが,あるときパソコン画面上で法律事務所名を入力しなければならなくなり,ふりがなの入力欄もありました。
そこで「アダジオホウリツジムショ」と打ち込んだところ,それ以来このパソコンさんが「ホウリツジムショ」の部分を変換してくれなくなりました。
何かいいですよね。昔のカーナビの音声みたいで。
ブログを始めて草々にして,すでに真面目な記事を書くことを放棄しているようですが,温かい目でお見守りください。
本日は,実質的に一発目の記事なわけですので,肩に力が入らない題材を選んでみました。
題して,『弁護士と「職印」』です。
弁護士業務を行う上で必要なものはいくつかあります。
それは,決して固まらないパソコンだったり,重い荷物を入れても取っ手がとれない鞄だったり,脳に糖を行きわたらせるための甘味だったりするわけです。
その中でも,職印は弁護士にとって非常に重要なものであると思います。
そもそも「職印」とは,文字通り職業を表す印章であり,弁護士であれば「弁護士〇〇〇〇之印」と彫刻されていることが多いです。
弁護士以外でも司法書士や行政書士,税理士の先生方はお使いのようですし,その他の士業の先生方もお使いかもしれません。
どこで聞いたかはよく思い出せないのですが,司法書士の場合は,職印を作る際の大きさや記載内容に決まりがあるようです。
そのせいなのか,司法書士の先生方は,18mm角の角印(四角い判子)を使っていらっしゃる先生が多いように思われます。
これに対し,弁護士の職印の場合は,特に条件がありません。
丸い形にしたり四角い形にしたり自由ですが,心なしか丸い形の先生の方が多いような気がします。
大きさも決まりはありませんが,あまりに小さくすると何だかしょぼいし,大きすぎると判子欄をはみ出したりしますので,適度な大きさが求められます。
私は,21mm角の角印をつかっていますが,結構な大きさなので,他の先生の隣に押すときには申し訳ない気持ちになります。
ただ,個人的にはかなり気に入っていますので,まぁ結果オーライなんじゃないかと思います。
この職印ですが,以前は登録制ですらありませんでした。
弁護士会が発行した印鑑証明書には,すでに「以下の印影を証明する」旨の記載があり,持って行った職印を指定された欄に押印するというものでした。
これでは,押印された職印が本当に本人のものかわかりませんが,それでもよかったんですね。信頼関係とは非常に素晴らしいものです。
しかし,やはりこれでは印鑑証明書の意味をなさないという指摘があり,現在は事前に登録された職印について印鑑証明書が発行されることになっています。
この印鑑証明書は,成年後見人として活動したり,交通事故の被害者請求の際に使用したりしますが,詳しい話をすると長くなるので省略します。
これ以外にも,訴状や答弁書などの訴訟書類に押印したり,勾留されている被疑者への差し入れの際に押印したりと大活躍してくれます。
裁判所に書類を受け取りに行ったり,検察庁に記録の閲覧謄写をしに行ったりする際にも必要であり,これがないと非常に悲しい思いをします。
私は,一度職印を忘れてしまったがために,事務所と検察庁の間を2往復する羽目になりましたが,決してドジっ子アピールをしているわけではありません。
逆をいえば,職印さえ持っていけば弁護士本人以外でも手続ができますので,ほとんどの先生は,事務局職員さんが使う用に,同じ職印を複数個持っています。
なお,弁護士から送られた書面を示して,「この職印って本物の職印なんですか?」と聞かれることがありますが,それは私にもわかりません。
それよりもその弁護士の名前を日弁連のホームページで検索して,実在している弁護士かどうかを確認した方が良いと思います。
ただ,最近は実在の弁護士を名乗った詐欺事件もあるようなので,実際にその弁護士の事務所に電話して確認した方がなお確実だと思います。
最後は,何だかいいお話で終わってしまいましたね。
いや,いいお話で全然いいんですが,内容がタイトルからずれていってしまいました。
今後もこのような感じでブログを更新していきますので,引き続きよろしくお願いします。
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