すべての営業電話に告ぐ

2022.02.15更新

 2022年も早1か月半が過ぎようとしていますが,当ブログの年明けは今日ここに始まりますぞ。出だしから意味不明の内容になってしまったのは,昨年末に導入した新たなホームページ管理ソフトの扱いに慣れていないために,少しのことを更新するのにも一苦労した結果,軽いパニック状態に陥っているからです。本年もよろしくお願いいたします。

 

 さて,当ブログの読者の方ならおわかりだとは思いますが,私は勤勉な人間ではありません。こういう言い方をすると弁護士としてどうかと思いますが,よく言えばメリハリが効いた生活をしているということであり,悪く言えばあまりやる気がないということです。どう言い繕ってもネガティブな情報にしかならないことに絶望した。

 

 世の中がやれ冬季五輪だとかやれバレンタインデーだとか騒いでいる今日この頃,日頃からそれなりに多い営業電話の数が飛躍的に増えておりまして,滅多に事務所にいない私が立て続けにその電話を取ってしまうという悲劇が発生しました。そして,その立て続けの電話に対し,毎回同じ内容を話さなければならず,もはやデジャブ感が飽和してゲシュタルト崩壊しそうなので,いっそブログに書いてしまおうかと思い立った次第です。

 

 

 やぁやぁ営業電話の諸君。うちの事務所に電話をかけてくる前にこの記事を読むように。

 

 

よくある勧誘文句①「ホームページの反響を増やすことができるのですが。」

 

 A.いりません。というかなくて構いません。今抱えている案件で手一杯です。私の売上の心配をしていただけるのはありがたいですが,あなたに心配される筋合いはありません。あと思うのは,めっちゃお金をかけた豪勢なホームページを見てうちの事務所に来た人は,まさかこんな住宅地の中に事務所があるとは思わないでしょうし,事務所のドアを開けた後は失神するでしょう。民家ですからね。横須賀の皆さんなら事務所の地名を聞いた時点である程度わかってくれると信じていますので,このホームページを見ている人に対しては特に心配していません。

 

 

よくある勧誘文句②「無料でホームページをおつくりできるのですが。」

 

 A.いりません。今でさえ全く使ってないホームページがあるくらいなのにこれ以上増やしてどうしろというんでしょう。物には複数持っていてもよいものと1つだけ持っておけばよいものがあると思っており,服とか時計とか帽子とかは前者ですが,靴ベラとか筆箱とかホチキスとかは私の中で後者に分類しています。ホームページもそんな何個も持ってもしょうがないでしょう。ちなみに「サテライトサイトとして運用していただければ」とも言われますが,サテライトするほど守備範囲が広くないですから。このメインページでたまにくだを巻ければそれで十分ですから,私は。

 

 

よくある勧誘文句③「〇〇法律相談というポータルサイトにご登録いただきたいのですが。」

 

 A.いやです。何故他の弁護士と共に陳列棚に並べられないといけないのでしょうか。ぐるなびとかホットペッパービューティーはお店が列挙されてるのでそんな嫌な感じも受けませんが,弁護士の場合は個人ですからね。異様な光景だと思いますよ。っていうかそのポータルサイト知らないし。他の弁護士にも話聞く気満々の相談者に回答するのは腹の立つ話です。私の場合,この不可思議な事務所に勇気を振り絞って電話をかけて来てくれた方には結構丁寧にお答えするようにしていますのでその点はご安心ください。

 

 

 とまあこの数日間は本当に大変だったわけですよ。「いまお時間1~2分よろしいでしょうか。」と言っておいて5分以上話すやつもいますしね。自分で言った時間は守れや。おかしいやろ。

 

 使ったこともなくゆかりもない関西弁が咄嗟に出てしまったことをお詫びいたします。

 

 ともかくですね。うちの事務所に電話をかけてくる皆さんに言いたいのは,私自身は気長にこの仕事ができればいいと思っていますので,東京の価値観で半島の人間をまくしたてるような真似はやめていただきたいですね。超高層ビルからだか雑居ビルからだかどこから電話をかけてきているのか知りませんが,まずは横須賀中央駅で下車して,仲見世の大通りを国道16号線まで歩いてから電話をすべきかどうか考えてみてください。ご自身のセールストークが非常に一面的であることに気づくと思いますよ。

投稿者: アダジオ法律事務所

法律相談の上手なお作法を上から目線で解説すると

2021.12.06更新

 みなさま大変ご無沙汰しております。角井でございます。

 もうご無沙汰ネタはいい加減飽きたと思いますが,私自身も言わないと言わないで気持ちが悪いのでお付き合いください。当ブログは当職の盛大な自己満足空間です。

 

 さて,昔は注目度などを考えていろいろとネタを練っていた時期がありましたが,日々の業務に追われる今日この頃ではそんな余裕はありません。逆によくできた記事を書いていたら,「そんな時間があったら自分の事件をもっと早く処理しろよ。」という激おこメールが届くことでしょう。だから,常にやっつけ仕事になるのは仕方がないことなんですね。

 

 こうして白々しい布石を打った後にご紹介する本日のネタは,法律相談に関するものです。これまでに数限りない件数の法律相談を受けてきた身としては,相談者側の努力でより良い相談ができたんじゃないかと思う機会に度々遭遇します。そのため,今回は,超上から目線で法律相談における良し悪しを解説していこうと思っています。

 

 「いい話と悪い話があるんだけど,どちらから聞く?」と聞かれたら,やっぱり悪い話から聞きますよね。それはお前だけだって?まぁまぁいいから聞いてください。あと,書き始めたら分量が大変なことになりそうだったので超要約して話します。

 

 

法律相談におけるNG~前置きが長すぎる

 

 あるある過ぎて涙が出てくる話ですね。通常,市役所の法律相談は1コマ30分ですし,どこの事務所も「初回30分無料相談」と銘打つところが多いように,大抵の相談は30分で終了します。30分じゃ短いように感じるかもしれませんが,内容がギュッと詰まった30分は意外に長く感じるものです。

 

 この30分の内訳を説明すると,①相談者による事案の解説10分,②弁護士による補足の聴き取り10分,③弁護士による解説10分くらいの割合がちょうどよいように思います。この点,②と③の割合は多少変動するかもしれませんが,①相談者の話が10分を超えるようでは明らかにしゃべりすぎです。だって弁護士の意見聞きに来たんでしょ。

 

 この点,相談者の話が10分を超えてしまうケースにはいろいろありますが,よくないと思うのが,「自分や家族の来歴を語りだす」「持ってきた資料を朗読し始める」「弁護士に一般的な意見を聞く」といった事案です。ご自身の生まれや学歴や娘の結婚相手の就職先は相談と関係ありませんよ。持ってきた資料を朗読するのであれば資料にした意味がありませんよ。この国の行く末(例えば少子高齢化社会)が心配なのはわかりますが,そういう話は国会議員さんにするかネットでしてくださいよ。

 

 この前置きが長すぎるという問題を解決すれば,結構な割合で充実した法律相談になります。弁護士ばかりがしゃべるのもどうかと思いますが,自分一人でしゃべりすぎて30分経過したあげくに「時間が短すぎるよ。延長できないの?」とか聞く残念な大人にならないようにしましょうね。

 

 

法律相談におけるGOOD~事案の要約書や時系列表の作成

 

 これは本当に助かりますね。法律相談のときには,事案に関係するすべての資料をお持ちいただきたいのですが,それとは別に事案の内容や時系列がまとめられた手作りの資料をお持ちいただけると大変ありがたいです。弁護士にとっては初めて聞く事案ですので,耳だけで聞いていてもどうしても理解できない部分が多々あります。そのとき,事案が適切にまとめられた資料をお持ちいただけると涙が出るくらい嬉しいものです。

 

 これについては,特に自治体における法律相談で資料をお持ちいただける相談者の方が多いように思います。きっと口を酸っぱくして言われているんだと思いますが,短い時間で事案を把握するのに重宝しています。ちなみに,持ってきた資料を全部声に出して読み上げる必要はありません。要点のみ教えていただければ十分です。読み上げてしまうと上記残念な大人になってしまうのでお気を付けください。

 

 時系列表の作成も大変ありがたいです。弁護士は実際に自分自身が経験しているわけではないので,事案の前後関係がすぐには理解できません。そのため,どういう流れで事態が進行していったのかがわかるとより早い時間で事案を把握することができます。

 

 また,質問事項をあらかじめまとめてきていただけるのも比較的良いことかと思います。ただし,その質問自体が適切かどうかという問題がありますし,事案によってはもっと一般的な内容をお話しした方がよい場合がありますので,一概に良いとは言えないところがなんとも難しいところです。そのため,どうしても聞いておきたい質問があってそれを忘れたくない場合にはメモしてきていただいた方がよいですが,特にこだわりがないのであれば弁護士に任せてしまった方がよいかと思います。

 

 

 そんなこんなで結構な分量になってしまったんじゃないでしょうか。いやぁ,ブログを書くのってやっぱり難しいですね。私事ですが当HPが微妙にリニューアルされたことにお気づきでしょうか。事務所の営業時間と当職の名前の表記がこっそり変わっております。

 

 年内にもう一回程度更新ができるように頑張ります。今年もあとわずかですが,宜しくお願いいたします。

投稿者: アダジオ法律事務所

弁護士業務以外の三大某事件

2021.08.04更新

 みなさま,大変ご無沙汰しております。猛暑の事務所の中で細々と息をしている角井でございます。

 何やら心が落ち着かない今日この頃ですが,いかがお過ごしでしょうか。

 ちなみに,私はといえば,ホームページ制作会社やマーケティング会社を名乗る聞いたこともないカタカナ系会社から営業電話がかかってきて,「お忙しいんですかね。最近はあまりブログも更新されていらっしゃらないようですが・・・。」といわれる日々です。

 

 余計なお世話だわ。何でもかんでも自分らの価値観がまかり通ると思うなよ。

 

 

 えー,不適切な表現がありましたことをお詫び申し上げます。

 

 

 なお,基礎疾患なし枠の私としては,ワクチン接種が当分先になりそうですが,そんなに積極的なスタンスではないので問題ありません。いや,本当は基礎疾患の一つや二つや10個くらいはあるんだと思いますが,通院してないとダメらしいのでおとなしく順番を待ちます。箱を開ける瞬間までは猫が生きているかどうかわかりませんからね。

 

 

 さて,冒頭の話が脱線しすぎている気がしますが,最近はせっせせっせと弁護士業務をしている傍らで,その周辺領域とも呼べる仕事に追われておりますので,そんなお話を差し上げようかと思います。ただし,内容が特定できないように相当程度ぼかして話をするので,はっきり言って何の話なのか全然分からないと思いますが,苦情は受け付けません。

 

 

①某弁護団事件

 弁護団事件というのは,大規模や事案困難な事件について単独の弁護士では対応が難しい場合に,複数の弁護士が代理人を務める事件のことです。熱心な先生はすでに何件もの弁護団事件を経験されていると思いますが,私としては初めての弁護団事件ですのでいろいろとわからないことも多く,四苦八苦しております。

 来月に第1回期日があるので,もしかしたら報道されるかもしれませんね。修習生の時に新聞に載ったことはありますが(決して悪い意味で載ったわけではありません),今回はその時以来の案件です。期日の時間がかかるかもしれないから,次の予定をバラシておかないといけないし,裁判所の駐車場に入れないときのコインパーキング代が高額になりそうだから電車で行った方がいいかもしれません。ヒントはここまで。

 

 

②某委員会案件

 弁護士になると必ず弁護士会に所属しなければならないわけですが,弁護士会には各種の委員会があって,各弁護士はどこかしらの委員会に所属することになっています。私自身も弁護士2年目から某委員会に所属してWordファイルと格闘していたわけですが,今回の話はその委員会のことではありません。

 これも情報がまだまだ公開されていないのでどこまで話をしていいのかさっぱりわかりませんが,地道に準備作業を進めています。コロナ以前の社会であれば,会議のたびにどこかに行かなければならなかったと思いますが,いまはリモート会議ができるので非常に便利ですね。他方で,「リモート会議なのに参加できないってどういうこと?」とか言ってくるパワハラ会議もあるらしいですし(心当たりがないわけではありません),外で工事してたりすると自分のことじゃないのに謝らなきゃいけなかったりと微妙な気遣いも要求されます。

 

 

③某模擬裁判大会

 弁護士というとどうしても裁判のイメージが強いので,手っ取り早く理解してもらうには模擬裁判をやるのが一番です。というわけでどこかで行われる模擬裁判に何かしらの形で参加するわけですが,これこそ内容をぼかしにぼかさないといけないやつでした。書き始めてから気づきました。

 ちなみに,某夜の街で「弁護士さんってやっぱり『異議あり!』っていうんですか」という質問を受ける機会は非常に多いですが,私の答えは「1回も言ったことがありません。」というものです。民事の場合はそもそも尋問までやらないですし,刑事の場合は自白してますから。なお,某九州で辣腕をふるっている同期の某弁護士は同じ某夜の街での質問に対して「めっちゃいうよ!」と答えてるらしいです。怖いですね。

 

 

 当初の予想通り全然中身がわからない記事になってしまいましたね。暑い日のアペリティフとしてはこのくらいのクオリティでいいんですかね。むしろ塩味が効いてた方がよかったですかね。ご心配とご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

 

 最後に唐突な案内ですが,当事務所はお盆期間中も普通に営業いたします。本当は休みたかったのですが,普通に市の会議を入れられたり,普通に裁判期日を入れられたりしましたので,各方面からの「休ませないぞ♡」という期待に応えようと思います。基本的には暦通りの営業となりますが,日中のほとんどの時間いないことがありますので,連絡がつかない場合はご容赦ください。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

投稿者: アダジオ法律事務所

ハンコ文化は嫌いじゃないけど厄介

2021.03.01更新

 ご無沙汰しております。

 

 言うまでもなく今年に入ってから最初の更新です。いやぁ,時が経つのは本当に早いですね。30歳になった頃には「胸やけ?何それ?」とか言っていた私も,松屋のマッサマンカレーを食べた後には永遠の胸やけ地獄に襲われるようになりました。決して松屋をディスってるわけではありませんよ。むしろ胸焼けしてまでも食べたいくらい美味しいという意味で礼賛しているのです。

 

 

 さて,あれは昨年の秋の頃でしたでしょうか。政府は行政手続における押印の原則廃止を発表し,ハンコ擁護派とハンコ廃止派の激しいやり取りが行われました。

 私のハンコにまつわる思い出といえば,「中学校の卒業記念でまず「角」の真ん中の縦線が突き抜けていないハンコ(要するにこのパソコンの画面通りの字)をもらった後に,「角」の真ん中の縦線が突き抜けているハンコ(戸籍上の氏名)の2本をもらい,最初は縦線が突き抜けている方を使っていたらハンコが歪んで全然押印できなくなって,仕方がなく「角」のハンコを使い始めたら現在まで使い続けてしまっている」というものでしょうか。エピソードめっちゃ長い。

 あとは,はじめての一人暮らしの時にアパートの申込書に緊張しながら渾身の力で押印したところ,朱肉がおかしかったのか次第に周囲に滲み始めちゃって結局押しなおす羽目になったことくらいですかね。申込書だけ神奈川県と長崎県を2往復しましたね。ロングジャーニー。

 

 

 まぁ,私のくだらない思い出話はさておいて,我々の業界は押印する機会が非常に多い業界です。裁判所に行っちゃ押印,検察庁に行っちゃ押印,警察署に行っちゃ押印。次第に押印の腕が発達してきて,いまでは朱肉さえおかしくなければかなりきれいに押印することができます。ただし,金融機関のベテラン行員さんにはまだまだ敵いませんので,印鑑届への押印の際にはお願いしちゃいます。

 この押印文化なのですが,私の理解では,押印という行為が「文書の成立の真正」に関わるものであると理解しています。つまり,自分のハンコが押されている文書は,普通は私自身が押したものなので,その文書自体も私自身が作成したものであると言えるからです。これを「二段の推定」と呼んだりしますが,詳しくは近くにいる法学部生や法科大学院性をとっ捕まえて聞いてください。

 

 

 このように,押印という行為は,ハンコが押された書類がハンコの持ち主によって作成されたことを意味するものなのですが,私の日々の業務の中でどうしても解せないものがあります。それは,

 

 「成年被後見人のハンコを要求される」

 

 というものです。

 

 

 成年被後見人というのは成年後見人が就いているひとのことですが,認知症や知的障害などで判断能力が失われてしまった成年被後見人の代わりに成年後見人が契約手続等の法律行為をするというのが成年後見制度の超簡単な説明です。

 この成年被後見人には,裁判所が判断能力がないと判断して成年後見人を選任することによってなるわけですが,その能力の程度には幅があって,話はできるけど意味が通じないといったレベルから,話すらできないというレベルまで存在します。ただ,いずれにしても契約手続をするなどの判断能力がないことは同じです。

 

 

 このような制度であることを踏まえれば,すべての手続は私のハンコでできるはずなのですが,行くところ行くところで「ご本人様のハンコが押されてないようなんですが・・・(冷笑)」という反応を受けます。

 そりゃそうでしょう。ご本人が手続できないから私が代わりに手続してるわけであって,ご本人のハンコが押されてたら,それはご本人が手続できちゃってるという意味か,私が文書を偽造しているかのどちらかであって,本来的にはご本人のハンコを押すというのはおかしなことです。

 私も若い頃はもう少しとがっていたので,「私が成年後見人に選任されてるんだから本人のハンコがないのは当たり前でしょうが」と抵抗していたのですが,あまりにも同じやり取りの繰り返しなので最近ではもう少し丸い言い方にしています。私がこの問題をどうやって処理しているのかは守秘義務の関係上省きますが,このやり取りをすること自体が無駄な時間だなぁと感じています。

 

 

 余談ですが,一番最初に挙げた裁判所と検察庁は,司法機関と準司法機関であることの関係から今回の押印廃止の流れから完全に取り残されているので,いまでもバンバンハンコを押していますが,警察署は行政機関なので押印廃止の流れが押し寄せてきています。これもあんまり言うと生々しいのでやめますが,接見時のあの書類にはこれまで3か所に押印しないといけなかったのに,年明けからは押印しないでよくなっています。これまでめっちゃ押印してきてたから,廃止を知ったときは本当にビビった。

 

 

 まとめると,「ハンコをうまく押せたときはすごい気持ちいいからハンコ押すこと自体は好きだけど,仕事でハンコ押すのはめんどくさいやり取りしなきゃいけないこともあるから,落款押すくらいがちょうどいいよね」ということですね。ごちそうさまでした。

投稿者: アダジオ法律事務所

今年の漢字は多分「禍」だと思う

2020.12.07更新

 2020年はキラキラして眩しい一年になって,2021年はその反動でめっちゃ暗い時代になると思っていたちょうど1年前からすると,キラキラした部分だけが根こそぎなくなった一年でしたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 このブログなんですが,いろんな方々から「ブログ観てます」と言われて,元々少ない更新がさらに少なくなっております。いや,忙しかったんですよ今年は。こんなことをいうと,新型コロナウイルスの影響をまともに受けた皆様にケンカを売っているようですが,そんなつもりは全然ないんです。

 

 この年の瀬のブログを読んで年賀状に書くメッセージを考えておられる方もいらっしゃるようなので,少し時間に余裕もできたことですし,今年を振り返ってみましょう。

 

 

 思い返すと,前回のブログ更新は3月の終わりなんですね。何だか今年は1回も更新してない気がしていたんですが,1回くらい更新してるとはさすがです。いや,志が低すぎますね。

 でもその更新の記事が思ってたのと違って驚きました。それよりも更新してなきゃいけない記事が見当たらないんです。その内容はですね。

 

 

「当事務所は,おかげさまで開業5周年を迎えることができました(令和2年2月1日)」

 

 

 普通の事務所だったらこういう重要なニュースはすぐ記事にしますよね。それどころか,ホームページのトップページにでかでかと宣伝して,しまいには5周年記念の無料相談とかもやらなきゃいけないかもしれない。いや,きっとやるはずだ。どうしよう,やってないうちに6周年が目前に迫ってきちゃった。てへぺろ。

 

 さて,気を取り直しまして,新型コロナウイルスが流行するまではあまり普段と変わらない生活してました。3月くらいは結構忙しくしてた記憶が薄くあります。

 

 それが,4月になって週が明けたら俄かに緊急事態宣言がどうたらこうたら言い出して,裁判が止まるだか止まらないんだか言い出して,家裁の調停係で「期日がなくなるっていう噂は本当ですか?」と聞いたら,「そういう質問にはお答えできないんですよ(苦笑)」と言われて恥ずかしい思いをしたりして,蓋を開けたらやっぱり全部の期日が取り消されたりして,大人って本当に信用できないんだなと思いました。

 

 裁判や調停がすべて止まってしまったので,それ以外の仕事を精力的にこなしていたこともあり,4月はそれなりに忙しく過ごしました。

 あと,裁判ばかりやっていた先生方は時短勤務したり,テレワークしたり,某給付金をもらったり大変だったようですが,元々そんなに裁判を抱えていない私には法テラスから国選弁護依頼の電話がじゃんじゃんかかってきまして,緊急事態宣言中は国選事件ばっかりやってました。

 

 そうすると,法テラスも味を占めるんですかね。担当週じゃないのに電話がかかってきたり,否認事件ばっかり回ってきたり,横須賀署じゃない事件(逗子署とか三崎署とか)が回ってきたりして,すっかり刑事専門弁護士みたいになってしまいました。

 人との接触を避けろとか言われても,国選事件は無理ですからね。毎日接見に行って,毎日アクリル板越しに話をしてました。某警察署はアクリル板にある空気穴まで全部ふさいでたので,音がわんわん反響しちゃって困りました。

 

 こうして事務所でゆっくり専門書を読みふける時間はなくなったわけですが,刑事事件に関するスキルはさらにパワーアップしました。このスキルがどう発揮されるかは自分でもわかりませんが,パワーが上がること自体はいいことです。

 

 あとは,抱えていた相続財産管理事件が3件とも終わりそうです。抱えていた事件のうち,1件は平成29年8月から,もう1件は平成30年11月からやっていますから,ずいぶん時間がかかってしまっていました。

 やらなきゃいけないことか多かったからなんですが,年内にはほとんど終わるかと思います。こちらのスキルも蓄積されましたね。

 

 他には,横須賀市の委員をやったり,専門学校の講師や中学校の総合的学習の時間に講義をしたり,弁護士業務以外の仕事もウエイトも大きかったように思います。新型コロナウイルスの関係で最も影響を受けた分野の一つが教育分野なので,学生や生徒の皆さんは本当に大変だったと思います。

 今年の専門学校の学生は,例年にも増して真面目だったと思いますが,新型コロナウイルスによる日程の遅れも相当程度影響したかと思います。私自身,学生の皆さんと結構仲良くなれてよかったです。

 

 今年は暦の並びが悪いので,正月気分があまり続かないのが残念なところです。そんなこといって,お前のところの事務所は5日まで休むつもりだろうって?ちょっと何言ってるかわかりません。

 

 

 それでは,今年もまだまだありますが,きっと今年最後の更新になりますので,ちょっと早めですがお伝えしておきます。みなさま,よいお年をお迎えください(来年が年男より)。

投稿者: アダジオ法律事務所

すでに春満開にして

2020.03.31更新

 記録的暖冬のおかげで3月のうちから花見を口実に酒が飲めると息巻いていた2月中旬頃は,果たして現在の状況を予想できただろうか。記録的暖冬ならぬ記録的自粛の波が押し寄せ,学校は休校,飲食店は閑古鳥,そして調停待合室は換気+人の少なさで肌寒くなった。

 

 三連休の頃は,少しは明るい未来が見えたかと思ったが,先週の半ばから雲行きが怪しくなってやれクラスターだのオーバーシュートだのロックダウンだのさすがにこれまでに聞いたことのないカタカナ語が飛び交うようになった。

 

 我々の業界にはすぐには影響が出ていないものの,某掲示板などを見ると新規の相談予約が全くないとか数か月後の実入りのことが心配とか様々な意見を目にする。あぁ,うちの事務所はいつも通り相談数が少ないので影響はありません。

 

 ただ,数年前までは相談数が少ない→仕事量も少なかったのだが,最近は相談数が少ないのに仕事量が爆発的に増えてきて何やら意味が分からない。

?「じゃあ,その分儲かってるんですね。」

T「残念ながら売り上げには結びついてません。」

?「またまたご謙遜を。」

 セールス電話がかかって来てはこんな会話を繰り返す空虚な毎日が眼前に広がっている。

 

 

 春になると昔のことを思い出す年齢になってしまったが,最近よく思い出すのは大学生の頃である。新年度が始まるころに品川駅で山手線に乗り換えている映像ばかり思い出す。あの頃,2020年なんてあまりにも遠い未来だったはずなのに,いま自分がその時代を生きていることになかなか実感がわかない。

 

 遠い未来は突然やってくるものではなくて,毎日の積み重ねなのだと言ってしまえばあまりにも陳腐な言い回しだけれど,結局未来に進む原動力などというものは過去に注いだリソースの量に左右されるものなのだと思う。「好きなことをしていたら今の職業にたどり着いた」という言説はあまりにも広く人口に膾炙しているが,それは好きなことをしていたら偶然成功した少数者が広めているまじないのようなものであって,大多数の人間は好きなことをして生きているわけではない。

 

 私個人にとっても,たまたま授業の中で国語と社会が好きで,より多くの理解を得るために勉強に費やす時間も多くなって,そうしたら大学に進む道が目の前にあったから受験勉強をして,入った法学部で不真面目ながらも教科書を読んで,法科大学院では周りについていけなくなるのが怖くて必死に勉強して,そうやって法律学につぎ込んだリソースが多かったから,現在たまたま弁護士をやっているに過ぎない。

 

 こういう言い方をすると何やら嫌味にしか聞こえないが,別に弁護士に限らなくても,仕事に対して熱意をもって取り組んでいれば,どういう職業科に関わらずそれだけで尊敬に値する。そして,そういう人たちは,最初から情熱をもって仕事に打ち込んでいたというよりも,やっているうちに楽しくなってきてより多くのリソースをつぎ込んだ結果,周囲から尊敬されるような仕事ぶりをするようになったのだと思う。

 

(そういう意味では,例え弁護士であっても熱意をもって仕事に取り組んでいなければ,非難されても仕方がないことだとは思う。)

 

 目指すべき未来なんて簡単に見つかるわけではないけれど,自分がリソースをつぎ込んでみようと思うことがあれば,それは将来の職業につながっているかもしれない。

 

 

 そうして,一方では長い休校の結果別れの思い出も十分に作れなかった学生や生徒を想い,他方では本来ならば明日の入社式で華々しい社会人デビューを飾るはずだったのにデジタル入社式やらなんやらに切り替えられる新社会人たちを想う。

 

投稿者: アダジオ法律事務所

年末にふと浮かぶ細かすぎるお願い

2019.12.13更新

 今年が終わろうとしていますね。

 

 改元のどんちゃん騒ぎが遠い昔のように思うくらい,今年1年は長かった。

 

 年を取ると1日が過ぎるのが早くなると言いますが,さすがに1年スパンは早くならないようです。

 

 あぁ,そうだ。今年の年末休業についてはトップページに掲載しておきましたので,ぜひご覧ください。

(このブログの読者がそんなことに興味がないことはよーく知ってますよ。ただのプチアピりですよ。)

 

 さて,年の瀬になると,本来であれば今年1年間を振り返ったり,来年の抱負を述べたりするのでしょうが,人間としての器が旅館で出てくる茶碗くらい小さい私にとっては,全く無縁の事柄であります。そこで,今日は,最近感じたお願い事と多少の案内を述べて,師走らしいブログ記事といたします。

 

 

1.当日予約は緊急のとき限定で!

 

 昔から一定数かかってくる電話の中に「今日相談できますか?」という電話があります。結論から言うと,「やりたくありません。」。

 こんなことを書くと普通のFacebookなら炎上するところですが,別にサボりたいから言っているわけではありません。その日の予定は,結構前から決まっているものですし,例え事務所にいる時間でも,溜まっている書類仕事をしたり,電話かけたりメール返したり,いろいろとやらなきゃいけないことはあるわけです。

 なので,「今日相談できますか?」という電話をもらうとテンションの下がり方が半端ないわけです。

 とはいっても本当に緊急の相談事はあるかもしれませんので,一律に当日相談を拒否してるわけではありません。ご自身の胸に手を当てて,「これは緊急案件だ!」と思う事案の場合には是非ご連絡ください。ちなみに,「今日の午後に相手方との話し合いがあるので,午前中に相談できますか?」という事案は,ご自身で寝かせてしまったことが原因なので,緊急性はないと思料します。

 

 

2.金曜日の午後に翌週月曜日の予約をするのはやめて!!

 

 少し考えればわかることですが,土曜日と日曜日は事務所が休みなので,翌週月曜日と言うのは翌営業日なわけです。

 確かにご自身の時間の流れからすると,「月曜日って3日後やん。余裕やん。」という感覚なのかもしれませんが,私の時間軸では金曜から月曜にワープしますので,事務所的には3日後ではありません。

 これはねえ,メールを送ってこられても土日に返さなきゃいけなくなって休みじゃなくなるし,留守番電話にメッセージを残されると気付くのが月曜日当日というトラップカード発動状態なので,いずれにせよ非常に困るわけです。

 あと,世の中の皆さんがなかなか気づかないことなのですが,弁護士というのは結構事務所にいないことが多いので,金曜日の午後というのは月曜日から見るとほとんど余裕がないわけです。

 ちなみにこれの応用系で,金曜日の午後に留守番電話が残されていて「土日ってやってますか?」というパターンもあります。残念でした、メッセージに気付いたのは月曜日でした。

 

 

3.法律相談後にいつまでもメールを送ってこないで!!!

 

 私は相談時に必ず名刺を渡しているわけですが,その名刺には私のメールアドレスが書いてあるわけです。

 また,メールフォームからお問い合わせいただいた場合には,私のメールアドレスから返信を送っているわけなので,相談者の方に私のメールアドレスが知れるわけです。

 それはまあいいのですが,法律相談が終わった後も何度もメールでお問い合わせいただく場合があり,その度に思うわけです。「法律相談料請求してもいいかな?」と。

 そんな小っちぇえ話すんなよと言われそうですが,一応専門家やってますので,そんなに小っちゃい話でもないと思うんですよね。事務所で法律相談する場合には相談料が発生してるわけですから,メールで相談する場合も基本的には同じですよ。

 とかこんなこと書くと,また善良な市民の皆さんが委縮しちゃうわけですが,再度の法律相談の予約とかその後の経過のご報告とかであれば全然問題ありませんので,そんなに気にすることはありません。「今度裁判所に提出する書面の内容をチェックしてもらえますか?」とか言い出さない限りは私もブチぎれたりはしません。

 

 

 というわけで,今日は年末に聞いておくと得をする,法律事務所のお作法のお話しでした。

 年内に少しでも余裕があれば,また何かしら更新したいですね。今年も更新数少なかったので。

 それでは,今月中のさらなる更新を全く期待しないでお待ちください。

投稿者: アダジオ法律事務所

葉山町における終活に関するセミナー&相談会

2019.09.12更新

 「この前タウンニュースに出てましたね!」といろんな人に言われるのだが,その日のタウンニュースを見ても載ってない。

 なんでだろうと思っていたら,そうか,逗子・葉山版だったわけね。

 私の拙いお話でよければ一席お付き合いください。もう一人の講師の川尻先生が私の分まできっちりフォローしてくれるはずです。私よりかなり真面目な人間です。

 それにしても,もっといい写真はなかったのかね。うさんくさいよね,この写真。と言っていたら,このホームページに使われてる写真でした。残念!

 いまから4年半くらい前に撮ったはずなのに,今よりも老けてる気がするのはきっと気のせいだろうと思う。あー,でも白髪は異様に増えました。きっと気苦労が多いんですよ。自分で言うセリフじゃないですけど。

 

 ということで,みなさまよろしくお願いいたします。https://www.townnews.co.jp/0503/2019/09/06/491323.html

 

 

投稿者: アダジオ法律事務所

ヨコスカ・コレクション

2019.08.13更新

 世の中はやれ最大9連休だとか,Uターンのピークに直撃だとか盛り上がっているが,当事務所は今日も元気に営業中です。

 あれ,去年までは普通に夏季休業してただろうって?忘れたね,そんな前の出来事は。

 まあ,家にいても灼熱地獄で頭がぼーっとするだけなので,いっそ出勤してしまった方が気が楽というものです。

 

 さて,久しぶりにブログを書くことだから,何かどうでもいいことを書きましょう。

 そうですね。私は「先生ってスーツにこだわりありそうですね。」と言われる率が高いのですが,はっきり言ってそこまでのこだわりはありません。シルエットはきれいな方がいいけれど,そもそもの体のラインが崩壊しているので,最近では特にこだわりがなくなってきてます。哀しいね。

 そんな私でも日によってスーツのチョイスは変えてますので,私が着ているスーツを見ればその日の私の予定が大体わかります。

 では,お盆特別企画。スーツを見分けて私の予定を当てようのコーナーです。

 

 

1.青系かグレー系のスーツを着ている日

 

 通常営業の日。適度に相談が入ったり民事の期日が入ったりしている日。人に会うので,あまりラフな格好もできないなと思っていると思考回路が停止してきて特に派手でもなければ地味でもないいわゆる「普通」のスーツを着てしまう。合わせるネクタイは茶系か緑系が多いと思う。

 こういう日に私に会ったときには,快活に挨拶をしてもらって構わない。

 

 

2.茶系のスーツを着ている日

 

 少し気が抜けている日。法律相談は入ってるかもしれないが,民事の期日はほとんど入ってない。いや,そもそも民事の期日が入っている日の方が珍しいけれど,こういう茶系のスーツを着ている日は,法曹関係者以外の人に会ったり,日長一日事務所で書面仕事をしたりしている日。簡単に言うとリラックスモード。

 外を歩いているときも微妙に気が抜けているので,会釈くらいでとどめてもらえるとありがたい。

 

 

3.黒系のスーツを着ている日

 

 ビジネスの世界でブラックスーツを着るのはご法度というのはわかっているが,それでも来ているということは何か特別なことがある日。すなわち,刑事裁判の期日が入っている日。逆をいうと,刑事の期日が入っていない日には,まずブラックスーツは着ない。修習中に長崎の先生に言われたセリフ「Pもちゃんとスーツを着てくるし,被害者やその関係者が見に来ることもあるわけだから,Bがラフな格好するっていうのは弁護活動の観点からもよくないと思う。」を真面目に実践し続けて早6年。

 むろん,どんなに暑い日でもフル装備なので,この季節に外で会ったときには(頑張ってるんだなと)微笑んでくれるとうれしい。

 

 

4.わかりやすいチェックのスーツを着ている日

 

 夜に楽しみな宴会が控えている日。

 あまり仕事をする気がないので,不要不急の連絡は控えていただけると大変助かる。

投稿者: アダジオ法律事務所

小噺三種

2019.05.30更新

・可能性

 

 「先生,可能性が少しでもあるならやってみたいんですけど。」どうぞやってみてください。ただし,可能性という意味をよくわかっていないのではないでしょうか。

 

 可能性というのは,事実が不確定な状態を指す言葉であって,うまくいくこともあればうまくいかないこともある。こんなことは常識の範囲に属するものであって,私がわざわざ説明するのはおかしいのではないでしょうか。

 

 うまくいくことがある以上,成功した際のバラ色の光景が瞼の裏側に浮かんでいるのかもしれませんが,うまくいかないことだってあるわけです。そしてそのうまくいかなかったことの危険を引き受けられるのであればやればいいし,引き受けられないのであればやらなければいい。私はそんなに難しいことを言っているわけではありません。

 

 これが宝くじを買うというくらいの話なら,1等が当たればバラ色の人生でしょうし,当たらなかったとしても買った分のお金が無駄になるだけであってそんなに大変なことになるわけでもありません。ただ,弁護士に相談するような内容でリスクがほとんどないなんてことはまずありませんよね。トンネルが連続する国道16号線の区間で横断歩道の場所まで歩きたくないから,トンネル内を歩いて渡りたいというのであっても私は止めません。うまく反対側の歩道までたどり着けるかもしれませんものね。

 

 というわけで,私自身はどんなに頼まれてもうまくいく可能性の低い行動はとりません。

 

 ちなみに,某ロボットたちが必殺技を出し合う大戦系ゲームでは,命中率が92%でもこちらの技は当たらないし,回避率が96%でも相手のビームライフルはあたってしまいます。案外確率論なんてそんなものかもしれませんね。

 

 

・支配領域性

 

 「先生,相手も弁護士に相談してるみたいなんですがどうすればいいですか。」いいことじゃないですか。

 

 自分が行動することによって結論が変わりうるのであれば頑張って行動して未来を変えてみればよいと思いますが,行動しても何も変わらないのであれば行動しても意味がありません。もっと言うと,そのような自らの融通の利く範囲外のことについて聞かれても,何とお答えすればいいかわかりません。

 

 手の届く範囲に醤油があったときに「醤油とってほしいんですけど。」と言われれば喜んで取りますが,電話で「刺身弁当に醤油が入ってなかったんですけど。」と言われても自分で醤油を買ってくるか味のない刺身を食べるかどちらかしかないのではないでしょうか。すべてのお願いはその人が行動できる範囲内だからこそお願いとして成立するのだと思います。

 

 自分が行動する際の意思決定に対して助言を求められれば応じますが,第三者の行動に対してとやかく言える権利はないのではないでしょうか。他人がどうするかより自分はどうしたいのかを考えた方が生産的です。なお,私は心から憎んでいますが,一緒に食事に行った友人がすべての食べ物の上にパクチーを山盛りにしたとしてもそれをやめさせることはしません。いや,鼻栓は欲しい。

 

 ちなみに,「支配領域性」という言葉は,敬愛する西田典之先生の書籍に出てくる言葉で,「客観的に排他的支配はあるが,その排他的支配の獲得が意思に基づかないという場合は,『支配領域性』と名付けて区別すべきである。」という部分から引用したものです。先生の意図とはかなり異なってしまっていますが,その言葉のスマートさが気に入って自分なりに解釈して使っています。

 

 

・東京

 

 ミスターチルドレンの楽曲の中に「東京」という歌があります。ジャスラックに目を付けられたくないので歌詞は載せませんが,私の東京に対するイメージを見事に歌い上げた名曲で,カラオケでは度々歌ったりしています。

 

 何が言いたいかと言えば,東京はたまに行くと楽しい街ですが,自分が生活するには生きにくい街だということですね。人は多いし,車は多いし,街に鳴っている音の種類もとにかく多い。道を歩いていても地に足がついていないような感覚に襲われる。

 

 あと,東京の弁護士に触れると,違う人種なんじゃないかと思うくらい仕事の仕方が異なりますね。よく言えば依頼者ファースト。悪くは言いませんよ,誰が見てるかわからないからね。好戦的であることは間違いないので,郊外ののんびりとした空気で放牧されたわが身としては怖くて仕方ありません。電話してても胃が痛い。

 

 例えて言うなら,東京の弁護士は戦で相手の領土を奪い取ろうとする主君タイプで,我々周縁部の弁護士は交渉や同盟でより良い結果を得ようという主君タイプですかね。どちらも一長一短だと思いますが,織田信長に対してシンパシーを感じない私としては,やはり周縁部の弁護士でよかったのだと思います。ちなみに某ゲームでは北条氏康でプレイすることが多いですね。ミツウロコ―。

投稿者: アダジオ法律事務所

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